ご理解いただいたお祭開催
感謝の気持ちでブログ投稿
過日、ある兼務神社の総代が亡くなられました。御霊が安らかに坐すことを祈るばかり。
その神社は氏子数も多くない神社のことで、しかも、平均年齢より若いうちの事でした。神社の祭を半月後に控えての葬儀。
その後、役員さんから、お祭の中止を決めましたとのお電話をいただきました。
小さな集落で50年来の付き合いだった方の逝去。集落の皆が傷心のなかにあり、お祭を開催する気になれない。とのことでした。宮司の私もお顔が目に浮かび、お世話になったり、言葉を交わした情景が真中に浮かびます。お気持ちはよく分かることでした。
しかしながら祭典の開催をお願いすることにしました。
今回の神事としてのお祭は年に1回の、神さまへ日頃の感謝や祈り等、様々な事を内在する祭典です。御祭神がそこにいらっしゃるものとして考えてください。御祭神は寂しく思われるのではないでしょうか。また、年に1度のハレの日に、御不幸のことが影響することこそが禁忌であります。ですから、氏子中に御不幸があって哀しい中かもしれないけれど、ご神事だけでも行うようにお願いしたい。また、こういったことは、決定する前に、宮司に相談をしていただきたい。と、僭越にして、心苦しくはありましたがお伝えしました。
後日、その神社の役員さんから、日程を遅らせて、神社での祭典を行い、恒例の盛大なお直会(なおらい:祭典後の飲食の会)は中止の方向でお祭を行います。との連絡がありました。
ご理解をいただき、感謝したいと思いました。
お祭・・・
「お祭」の響きには「楽しさ、賑やか、大騒ぎ」などが連想されると思います。しかしながら、語源は「神を待つ」にあり、神さまの降臨を待ちわびて行う行事の事であります。盛大で賑やかで楽しい行事で神さまを喜ばせる事が、神威の発揚(ご利益が大きくなること)につながり、日常の私たちの様々な願いが通じるものとされます。真摯に神さまに向き合う側面も欠かさずに行う必要があります。